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トーキングエイドとやあくん

1)やあくんの生育歴

1歳8ヶ月〜検診で遅れの指摘を受ける(始めての新版K式検査で、1歳程度と言われる)
2歳2ヶ月〜保健所の幼児教室に通い始める
2歳5ヶ月〜福祉センターの幼児教室(障害児デイサービス)に変わる

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言葉が出だすが、エコラリアのみ
2歳11ヶ月〜病院にて自閉症の診断

3歳4ヶ月〜通園施設に入園

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3歳6ヶ月〜療育手帳を取得(B2判定)
5歳0ヶ月〜療育手帳の継続判定(B1に変わる)
通園施設の3年間で、計6回の新版K式検査を受けるが、毎回1歳前半レベルで変わらず

6歳4ヶ月〜養護学校に入学、小学1年生

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IEPの目標「言葉で要求を伝える、担当者と一緒に遊ぶことで遊びの幅を広げる、など」
6歳8ヶ月〜新版K式検査、1歳前半で変わらず
7歳0ヶ月〜療育手帳の継続判定(Aに変わる)
7歳2ヶ月〜文字に興味を示し始める
IEPの指導後の様子「本人の好きなくすぐり遊びなら言葉要求ができるが、他の要求や拒否はほとんどなし」

7歳4ヶ月〜養護学校、小学2年生に進級

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IEPの目標「担当者の関わりに応じた言葉の発声を増やす、担当者と一緒に遊ぶことで遊びの幅を広げる」
7歳7ヶ月〜家庭にて、着替えや排泄の手順書を使うことを開始
7歳8ヶ月〜新版K式検査、2歳前半に変わる
8歳0ヶ月〜一日の外出予定をカードで示すことと、写真による週間カレンダーを開始
IEPの指導後の様子「言葉がけすると挨拶できる、友達の名は言えるが人物と一致しない
くすぐり要求はできるが、その他は言葉では伝えられない
担当者の誘う遊びは持続して出来ない」

8歳4ヶ月〜養護学校、小学3年生に進級

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IEPの目標「どこへ行くの?と尋ねられ、写真カードから一枚を選ぶことで伝える」
8歳8ヶ月〜家庭内の"場"の構造化を開始、遊び・勉強・着替えなど一対一対応開始
在宅中の行動を(食事・風呂・寝るなど)全て表すカードスケジュールを開始
9歳0ヶ月〜外出時も合わせ、一日中の行動を表す文字スケジュールを開始
9歳2ヶ月〜トーキングエイドの使用開始
IEPの指導後の様子「促しがなくても多数のカードより自ら選択し示す事ができる、また担当者へ「いいよカード」を要求しそれを確認後遊びに行くを理解(目標達成)」

2)トーキングエイドの使用前のやあくんの様子(約一年前からをふりかえって)

小学3年生1学期の様子

やあくん母への愛着行動は強まったものの、他の人への関心がとても少ない。家族の名前すら覚えていない。要求は簡単な単語(りんごやお茶など)・クレーンで伝えるが、拒否はほとんどなく、注意喚起は全くない。行きたい場所のカードを手にしていてもそれを誰かに示すことはできない。ごくまれに一日の予定に「行きたくないカードをはずし行きたいカードに変える」ことがある。一年生の終わりから始まった「学校帰りに突然泣く」等、意味不明の激しい泣きが再三見られ、この頃も帰宅後泣き続けることが多かった。ストレスが過度になるとゲラ笑いのパニックで全く手がつけられない、見通しがたたないとすぐにいなくなる(忍者のようといわれる)というようなことが続く。聴覚過敏がきつく、初めての場所や物はなじめず、偏食もきつい。

2学期の様子

1学期の終わりから、学校にて「行きたい所をカードで示す」指導が開始。夏休みに家にいる間のスケジュール(外出時はせず)と、家の中の簡単な構造化を開始。着替え・勉強・遊びの場をわけると特に着替え・勉強は短時間でこなせるようになる。夏休み終わり頃から「やめて」という拒否の言葉を使い始め、2学期に入り特に11月頃からかなり激しい拒否に変化(好きなことでもまず「やめて」と拒否する)。これが約1ヶ月続き、この時は「拒否したら必ずやめる」で対応、その内自然に落ち着く。また10月頃から一日の予定に自分でグルグル書きをした紙を貼り付けだす(母の用意したカードにない場所への「行きたい」要求)。2学期には警察へ届ける行方不明事件を2度起こすが、どちらも母のスケジュール提示の失敗が原因。

3学期の様子

やあくん冬休みより、一日中の行動を示す文字スケジュールを開始。(文字はほとんど読めない…と母は思っていたが、案外読めるので驚く)同時にカレンダーを月間に変更、文字だけで示す。また家の構造化も工夫を増やし、食事時の「たべる←→すわる」を文字で書き示したものやランチョマットなどを利用し、座って食べる工夫をする(それまではほとんど座って食べることはできていず、手づかみでの食事が多かった)。箸をやめスプーン・フォークに戻し「座る、手で食べない」を促す。短期間(1週間ほど)で食事場面が落ち着き、片づけまでできるようになる。3学期に入り、スケジュールのいやな物を自分でペンで消すという拒否が始まり、1月半ばには「やりたいこと」をグルグル書きで書き込む要求も出だす。学校では「発表会の練習」という特別な授業を「スケジュールからはずす、消す」で強く拒否を示すこともあった。また習っていたお稽古事はすべて本人が「行きません」と言うのでやめ、放課後は本人の意志でスケジュールを決める形が定着する。この頃から、突然泣き出すことも極端に減りだす。2月半ば、12月より使い始めたライトタイマーの意味を理解。2月20日よりトーキングエイドの使用開始。

3)トーキングエイド使用の様子、その変化

2月20日時点でのやあくんの文字認識

文字が並んでいる固まりに意味があるのは理解していたが、一文字に一音の意味があることは全くわかっていなかった。例えば「くるま」と書いてあると「車」と読めるが「く」が「く」と読むことは全くできず、家での課題で[車の絵に  の文字カードを正しく並べる]という課題では全く気のない様子ででたらめに「まくる」とか並べるだけ。文字への関心は小学1年生の終わりから出ていたが全く進展せず、あいうえお表はあのまま頭に入っているようでパズルなどでは完璧に並べられるのに一文字ずつは全く読めない、「みどり」「きいろ」は読めるのに「あか」「あお」は間違う(形が似ているから)、一度「はみがき」と書いて持ってくるよう伝えるとはさみを持ってきたことがあった。故に母は「文字の獲得は非常に難しい」と思っていた。

使用経過

2月20日、自宅へ持って帰る。彼が要求すること「りんご」「いちご」などを母が手をとって入力する形で3日繰り返す。できるだけ自分でと思うが全く文字がわからないのでつい母が手を添えてしまう。それでも3日目には一人で銀行カードの文字を見つつ「きんこう」と打ち込む。 この頃はどのような使い方をすればよいか全くわからず、言葉で言う小さな要求までトーキングエイドに打ち込むことに違和感を感じる。ただし本人はこの期間で入力すること、それを再生し音声にすること、終わったらクリアし消すことを覚える。

3月7日、syunさんのアドバイスで外出時も持ち歩くようにする。またスケジュールを決める際に必ずトーキングエイドを使用し、本人が打ち込んだ内容を確認して、母がホワイトボードや外出スケジュール用メモに写すという形が一番よいとわかる。

3月10日、打ち込む際に、打ちたい文字を声に出して打ち始める。例えばローソンと打つときは「ろ」といいつつ、「ろ」を探すようになる。つまり「一文字に一音の意味がある」ことを理解できたと思われる。

3月11日、これまで全く行ったことのない場所に「行きたい」という要求が始まる。もちろんそんなカードは家にもコミュニケーションブックにもないので、2人でトーキングエイドに打ち込み確かめると、非常にうれしそうに入力・再生をする。

3月14日、突然意味不明の言葉を言い出す。意味のわからない私に、トーキングエイドを持ってきてその言葉を打ちたいと要求。それを2人でトーキングエイドに入力すると、自分でディスプレイに現れた文字を書き写し(かなり下手な字なので読めないが)、それをスケジュールに貼り付ける。しかし結局それがどこかはこの日はわからずじまい。2週間後、解明。家から車で2時間もかかる「行ったことのある回転寿司」。わかったときは思わず苦笑…した。

3月17日、単語のみの入力から、動詞を入れた入力に変更。例えば「ローソンいきたい」「りんごたべたい」など。3・4日後には言葉での要求に動詞が入るようになる。全く促していないのに自分から「りんご、むいて」と言ったこともあった。
同時に「もっと」「もうひとつ」という言葉を入力し、ビスケットやいちごの食べる量を自分で決められるようトーキングエイドを利用し始める。例えばビスケットを食べる時に、一枚皿に入れて様子をみる、本人が「もっと」と再生するともう一枚皿に入れる…を繰り返し、食べたい量を自分で決められるようにする。案外適量で「もっと」をやめるので驚く。これもしばらくすると言葉で「もっと」「もうひとつ」と言えるようになる。

3月19日、「学校へ行きません」と言い出す。いろいろ探ると時間割が知りたかったよう。この日からスケジュールは行く場所だけでなく、そこで何をするかまで知りたがるようになる。

3月中は、入力するときにいつも母の手を自分の手にかぶせて、まるで誘導をしてほしいそぶりがあったので、4月からはなるべく手を出さないよう、自力で打てるように促していく。最初は3つほどの文字しかわからないようだし、また「くるま」の「ま」と「マリービスケット」の「ま」が同じであることもよくわからないようで困っていたが、その内だんだん一人で打てるようになり、文字がわからない時は母を見て打ちたい文字を「○」とか聞いてくるようになる。聞かれたらその文字を指さし教えるように変更する。ここから一気に文字の読みができるようになる。

春休み終わりには、打ち込んでいる最中に音声で確認をするという行為を始める。例えばローソンと打ちたいとき、「ろーそ」まで打って、そこで再生し音を確認して「ん」といいつつ文字を探すという感じ。

新学期が始まり、小学4年生となる。担任や教室が変わり、カードなどのグッズがない環境になり、かなり機嫌が悪くなる。学校でも「すぐにいなくなる」状態に戻る。新学期入って数日後、いつもは持っていかないトーキングエイドを「持っていく」と強く要求するので持たせるが、学校では全く使えない。なぜ持っていきたかったか不明。翌日からはその要求はなくなる。

学校の構造化が元に戻ると、かなり落ち着く。この頃から外出先で(例えば大型スーパー)車を降りる前にトーキングエイドで細かいスケジュール確認を始める。きっちり行きたい所、遊ぶ内容、買う物を前もって決めるので驚いたが、その決めた通りに本人が行動することにさらにビックリ。大型スーパーでいなくなるという心配はなくなる。

5月19日、大型スーパーの駐車場で、細かいスケジュールを決める入力中に、突然手をとめ悩み出す。打っていたのは「カレー」。母は「カレーライスのがわからないのか」と教えようとするが、その手を払いのけて一人あれこれ打ち込み悩んでいるが、最終的に打ちたい文字を見つけることができる。本人が入力したかったのは「カレーでいい」。気持ちが入った言葉を打ったのはこれが初めて。

5月末までトーキングエイドには要求しか打っていなかったのに、6月に入ると突然自分からトーキングエイドに様々な文字を入力して遊ぶようになる。でたらめにいろんな文字をいっぱい打ちこんで、それを再生しゲラゲラ笑ったり、ディレイトエコラリアを打ち込んで一人で受けたりしている。

6月頭、ひらがなの単音読みはほぼ完璧になる。

6月1日、カレンダーを5月から6月に変更するとき、突然音楽クラブや歯医者・ショートステイの名前を入力する。6月のカレンダーを示し「6月○日にあるよ」と確認しても不機嫌。よく観察すると「5月にそれがあったよね」と母に伝えていた。
ふと気づくと、言葉で要求してきた時に「トーキングエイドは?」と促すとすっと打つときと打たない時がある。どうやら「本当に行きたい=すぐ打つ」「ちょっと言ってみただけ=打たない」ように思える。

6月6日、嘔吐で学校を休む。「しんどい」などの意思表示が全く出来ないので、トーキングエイドに「きもちわるい」を母が入力し枕元へ置いておく。すぐに意味に気づき、何度も再生しては母を呼ぶ。
落ち着いてきた頃、その「きもちわるい」をクリアしたので「何を打つのか?」と見に行くと、同じ「きもちわるい」を何度も打ち直している。その内、「きもちわるい」の後に「みそしる」と入力。つまり再生音は「きもちわるいみそしる」。クリアも入力もできるのに、この言葉になったのは「きもちわるいけど、みそしる食べたい」なのかな?と理解。みそ汁を自分で作って食べるのを許す。ちなみにそのみそ汁は嘔吐しなかった。

6月9日、まだ嘔吐が回復していないのに「ケンタッキーやマクドナルド」をトーキングエイドで要求。紙に「びょうき」だから「ケンタッキー×・マクドナルド×」と伝えると納得し、大好きな噴水を見に行くことになる。ところが着いてみると噴水が止まっている。どうするか…と見ているとエイドを取り出し、自ら「びょうき」と打ち込みため息をつき、「おうちにかえる」と伝えてくる。(まだ濁点・小文字はわからないので、入力は私の助けがいったが、言葉は自分の気持ち)

6月10日、部屋中に行き場所カードなどを並べて、それを一人で順番にトーキングエイドに入力しては消すを繰り返ししている。練習している?

6月11日、スケジュールを決めるのにトーキングエイドを持ってくるが、打ち込んだのは「おやつ」だけ。その後はまるで母から隠れるようにトーキングエイドをもって部屋の隅へ移動。一人で「くるまにのる」「おとうさんのおはか」「ろーそん」などを打ち込み、一人満足している。母が「なに?」と聞いても答えず、トーキングエイドをしまってしまう。母の方がスケジュールの見通しがつかず不安…。

6月12日、突然カタカナ変換の仕方を覚え、使い出す。「ゲームセンター」「くるまにのる」「ローソン」「おうち」(打ち込んだ通りを記載)交互に変換を切り替え入力する。

6月25日、教室にトーキングエイドが登場。元々学校にあったものをやあくん用にと用意したとのこと。しかし機能的に高い自閉症児が独り占めしているため、使う機会がないよう。一度だけ先生が紙に「バス→げこう→  」と書いてみせると、「ケンタッキー」と打ち込んだ。母とsyunさん以外を相手にトーキングエイドを使ったのはこれが初めて。

6月27日、ショートステイで始めての宿泊。夕食を済ませ連れて行き、朝食前に迎えに行くというスケジュール。本人もそれで納得してた。ところが、明け方目を覚まし少し泣いたらしい。言葉では「おかあさん、ケンタッキー」といろんなことを言っていたので、職員さんがトーキングエイドを見せると「ごはん」と打ち込んだ。それを見た職員さんが「おなかがすいてるのか」とわかってくださり、予定外のパンを食べさせてくれた。使用方法を全く知らない方を相手にトーキングエイドを使って表現したのはこれが初めて。

7月3日、これまで本当に「母に呼びかける」ことがなかったやあくん、「おかあさん」と言うのはよほど要求が強い時にたまらず口から出るって感じ。それがこの日、要求など全くない場面で「おかあさん」と打ち込み再生。驚いた私が「はい」と返事すると、ニッコリ笑ってクリア。意味不明だけど、うれしかった。

7月9日、バナナを食べ出すと、そのバナナが少し古く気に入らない味だったよう。それでも母が「最後まで食べる」と促すと困っている。どうするか…とみていると、トーキングエイドに向かい「おわり」と打ち込んだ。どうしたら食べずに済むか、彼なりに考えたのかな?

7月10日、夕食、自分で作ったラーメンを食べたあと、突然パニックを起こす。口から出る言葉は「りんご、たべません」???。トーキングエイドに向かわせると「りんごたべる」と打つ???。以前使っていたカードを貼り付ける要求ボードを見せ「何をする?どこにいく?」と聞き直すと、トーキングエイドに向かい直し「ローソンいきたい」と打つ。ローソンへ行ってみると豆腐を1丁購入。実はやあくん、麻婆豆腐を作りたかった・・でも家に豆腐のないことや夜に買い物にいかないことをわかってるので、作りたい・でも作れない・のパニックだったよう。麻婆豆腐作るやあくん、とても生き生きしてる。

7月11日、これまで呼びかけの「おかあさん」がなかったやあくん、いきなりこの日から「おかあさん、おかあさん」と呼びに来るようになる。要求の時が多いが、なんの用もなくても「おかあさん」と言いに来る「はい」と答えるとそれで去っていく。

7月16日、夏休みにある宿泊学習の下見のため、神戸へ。しあわせの村・須磨水族園を見学。
「行きたい訳でない外出先」に少々不機嫌なやあくん。下見が終了した後、母が「したみおしまい」と書いて伝えると、言葉で「ガスト」と伝えてくる。近くにガストがあったので寄ると、ここでも不機嫌。ここまで事情あってトーキングエイドでの意思確認はしていなかった。食べ終わったあと、母が全く促していないのに、トーキングエイドを取り出すので、「なに?」と見ると「うみ いく」「くるまにのる」「ライフ(スーパー)いきたい」「くるまにのる」「おうちかえる」と打ち込む。(カタカナ完璧です)。海の要求も、家に「かえる」という動詞を使うのもこれが初めてのこと。

7月17日、歯医者での出来事。歯医者で訓練を受けていて、毎回同じ内容なのでいつも決まった手順書を使っていた(3年ほど)。が、この日、始まる前とても機嫌が悪く、気分転換に帰りはどこに行くかを聞こうと「トーキングエイドは?」と促すと、行き場所ではなく、歯医者の訓練の順番を打ち出した。打ち終わった所でストンと落ち着き、機嫌悪いのが嘘のようにスムーズな訓練ができた。まるで「どんなことでも、自分で順番決めたい」と言ってるよう。

7月23日、レストランでのこと。私と私の友人とやあくん、3名で食事。食後、友人と「何か飲もうか?」と話していると、すぐトーキングエイドに「オレンジ」と打ち込んだやあくん。オレンジジュースを飲みたいの意思表示。何の話をしているかわかったこともすごいし、それをトーキングエイドで示せるところもすごい。

ここ最近、エコラリアを打ち込んでよく遊んでいる。車の中、レストランで料理が来る前など少し退屈な時に打ち込んで遊んでいる。入力したものの一つを紹介「あつた そこだよ いてきます(いってきます) おやすみ バイバイ いまからやまにのるよ」(空白は読みやすいように今、私が入れた)

7月28日、車で移動中、非常に機嫌が悪く、怒っている。最近、怒ると「めだまやき!」と言う。どうやら「うるさいな!むかつくな!はらたつ〜」という表現らしい。この時も「めだまやき!」と怒っている。私が「わからん!何、怒ってるの?トーキングエイドは?」と言うと、トーキングエイドに向かい・・・・打ったのは「めだまやき」・・だから、わからんって。

8月25日、ガイドヘルパーさんと一日過ごした日。ヘルパーさんと別れ、母と二人になって、母が「これからどこに行くか?」と質問したら、トーキングエイドに「○○くん」とヘルパーさんの名前を打ち込んだ。人の名前を打ち込んだのは初めてのこと。

8月26日、地下鉄にのっていて、退屈だったのかトーキングエイドで遊びだした。見ていると、「おそおがつにはたこあげてこまをまわしてあそびまそ」(小文字が使えないので「しょう」が「そお」に、最後の「しょ」も「そ」になっているけど、これはお正月の歌。歌を打ち込むのはこれが初めて。

8月28日、トーキングエイドのアダプターをなくし、充電ができない状態が続いて、とうとう使えなくなった。とたんに、行動が多動になる。目的や行き場所をつげず勝手に外出するのが続く。1週間前からライトタイマーも壊れ修理に出したので、「待つ」ことが全くできない。翌日29日は一日中一人で外出ばかりを繰り返していた。

8月30日、アダプターが見つかり、トーキングエイドが使えるようになると、スケジュールを伝えてくるようになった。痛い経験だったが、いかにトーキングエイドが彼の意志を表出するのに大事なものかを痛感した。同時にライトタイマーが戻ってきた。これも「待つ」場面では自分からタイマーを出すようになった。どちらも「やあくんの道具」であるとしみじみ思う。

9月2日、買い物中に大好きな文房具売り場で遊んでいるので、「そろそろ帰ろう」と誘いに行くと手で私を押し返す。私がトーキングエイドに「あっちいって」と打ち込み、押すのではなく「あっちいって」と言うように促すと、一度で覚える。それからは何度も私がそばへ行くと、あわててトーキングエイドを構えて「あちいて」と打ち込み再生。

9月5日、「あちいて」をほぼおぼえる。手で押し返そうとした時に、私がトーキングエイドを指さすとすぐに「あちいて」と打ち込むようになる。

9月9日、「半月ほど前からアルファベットの打ち込みを始めていた。それがABCの歌(キラキラ星のメロディ)と同じ所でくぎるのがおもしろいな・・と思っていたら、口ずさんで歌うようになった。

 夜のスケジュール、あそぶ → おふろ → はみがき → ねる となっていてスムーズに済ませた最後。歯磨きをしてから、トーキングエイドに向かう。打ったのはピコ。「いいよ」とスケジュールのはみがきねるの間に、ピコを書くとうれしそうに遊びはじめ、少ししたら満足して布団に入った。

9月13日、トーキングエイドを持って、カラオケボックス初体験。カラオケのシステムがわかると、自分からトーキングエイドに「歌詞の最初:どらえもんなら♪こんなこといいな、など」を打ち込むので、曲番号を紙に書くと、自分でリモコンに入力して、遊ぶ。


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